
世界中の金利が急上昇し、これからの物価はどう変化していくのか
発刊日:2026年5月12日
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| 先日、国債の長期金利(10年満期)は2.8%に急騰した。中東不安の長期化による物価上昇が引き金となり、日銀は金利の引き上げにシフトを強めている。本来であれば日銀の金利上昇は円高要因となり、債権も買われ、内需拡大期待で株が上昇する。結果、円の購入が増加し、円高となる。これが、本来、この局面で誘導されている金融市場の見通しだ。 |
| 米国が金利の低下シフトを実施した際に、日銀が思い切った金利の上昇を躊躇した結果である。コロナ過が解かれ米国市場が再生した矢先の時期であったが、そのタイミングでの金利上昇を市場予測より控えめにシフトしたことで、歴史的な金利の反転効果が市場で評価されなかったのである。今日の市中金利2.8%台は約29年ぶりの高金利と成っているが、金利上昇の先日、株は600円ほど下落し、5月6日から起算して2円程の円安での推移となった。 |
| 市場で使われている金利には、➀国債相場から換算した実質レートが市中金利と②日銀が銀行の当座貸し越しで貸し付ける公定歩合と、大方2つの金利指標がある。国債などの債権は機関投資家たちが運用利回りを求めて資産を運用する。大方、1年間を四半期に分けて運用し、3ヶ月毎に手元資金へ戻し、運用益をファンダーの投資実績として形にしていく。 |
| 2つ目の公定歩合は日銀の当座勘定を持つ銀行群へ貸し付ける金利だ。銀行群はこの公定歩合の資金を手元資金とし、貸付金や資産の運用を行い収益を上げている。他方、米国では貯蓄銀行と投資銀行との形態で当主のFRB(Federal Reserve Board「連邦準備制度理事会」)は、定期などの預金で資金を集める銀行と、ファンドなどによる運用で資金を集める銀行との制度を2つ作った。日本の銀行は、「貯蓄と投資を完全に分けている」ということだ。 |
| さらに決済方法も、大口国内資金と個人小口資金はネットワークを完全に分離し、資金の規模や利用者によって決済ネットワークの構造が全く違います。小口決済(ACH)では1日何億件ものレコード処理が発生することから、日本と同様の定刻バッチ処理を行っているが、大口の資金などの決済網は小口決済網と完全に分離し、米国のFRBが管理する大口決済ネットワークが(Fedwire)、民間銀行が管理する大口顧客取引決済が(CHIPS)、給与振り込みや公共料金の決済取引を(ACH)といい、この4つのネットワークが資金決済を行う。 |
| さて、今回市中金利が2.8%と急騰すると来年度の政府資金を用意するために発行する国債の表面レートが同様に上がってしまうという事態が起きる。仮に長短含めて250兆円の国債を発行するとなると1%で年間の金利負担が2.5兆円も跳ね上がるという計算だ。日銀が思い切った公定歩合の上昇を決断できなかったのは国債金利の上昇が招く財政負担が重荷になっていたのが大きな要因だ。さらに市中金利が上がると国債の発行額が増えてしまうという問題も加速する。 |
| 日本の財務省は財政均衡主義という根本的な指針のもと、税収や資産売却などの財政収入と一般会計及び特別会計の財政支出を常にその収支バランスを保つという歴史がある。筋は間違っていない、政治家が税収を上回る一般会計予算を承認してしまえば、財政の赤字を国債に依存し、何れ資金は破綻するという財務省の理論だ。約30年以来の市中金利の上昇は1342兆1720億円(2025.12.31現在)という国債の金利弁済を更に増加させることとなる。 |
| 半面、国債の増発を奨励する主張もある。これは、円の信認が担保される範囲で国債の増発を主張する論説だ。財政均衡主義に固執していては国家財政が赤字となった際に予算で赤字対策を打つことはできない。なぜならば、国民や企業の赤字を黒字転換させるための財源がないからだ。財政均衡主義上の理論では、新たな財源で予算を確保するためには、➀税収の増加、②支出の削減の他、選択がない。そもそもインフレ等で赤字が蔓延し、物価の高騰から実質の可処分所得(手取りの給与)が目減りしている状況の今、生活に必要な品物やサービスの代金支払いが虎視眈々と増えているのである。 |
| 現在、消費税を筆頭に税収も増大化しているといわれているが、上がった予算外の税収が市中へ還元されていくことはない。なぜならば、消費税の税収は特別会計の勘定で用途が限定されているからだ。使えるのは社会福祉予算に限るというのが特別会計の原則である。目的税という用途限定の税金となっているので、消費税の増額分を一般会計に振り替えることができないからだ。その目的税であっても社会保障財源の資金が国民や企業の消費を促す原資となっているわけでもない。 |
| 資金が消費に回らければ、国民や企業が支払った消費税は日本の経済を潤すことはできない。景気が循環しなければ国民や企業が生きるすべはない。今、コロナ過が明け、ウクライナの紛争に始まり、中東の原油ショックによる世界的な物価高が再上昇し、さらに気候変動が不透明な動きを繰り返し、内陸の作物の減少傾向は繰り返されていく。戦後の成長期であれば人口増の需要増大がショック材ともなり、日本の経済は回復できた。今は、全くの真逆だ、人口は半減し、為替が異常に安い現況下である。今回、一刻も早く市中金利の上昇を市場判断を煎じて上昇させ、大幅な円高と株高にまずはシフトチェンジを望む。 |
| 銀行が保有する10兆円単位の国債含み損は、新たに内閣府直轄の財政運用ファンド等を立ち上げし、銀行の含み損処理と日銀が保有する株式とをクロス取引で消化させるのも一案だ。日銀が100年かけて売却を宣言した日本の株式だ。日銀はETFの形態をとり、簿価で37兆円分の株式を買付し、現在の日本の株式市場を再生させた。この保有する全株式の上乗せし、銀行が保有する日本の国債を日銀が市場外取引で全て引き上げし、合算した全部をこの財政ファンドへ現物投資する。 |
| 先ずは、建設債の様に特別会計予算で臨時国債を発行し、その資金で財政ファンドに500-1000兆円相当の資金を準備する。その資金を原資に➀日銀が銀行群から市場外取引で買い戻した国債を市中価格で売却する。②日銀が保有するETF株式を全て市場価格で売却する。現在、このETFが時価70兆円と言われていることから、国債の含み損金額を最大で35兆円償却できる勘定となる。当然、買い付けた財政特別ファンドは日銀の様に市中売却を選ばず、株式配当のみを運用原資とすれば何ら問題はない。 |
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